法令遵守であるコンプライアンスに関するマニュアルを作成することは、介護の現場においてとても重要なことだ。
その最も重要な目的は、自分たちの日常の行動で守らなければいけないことを文章として明確化することである。
漠然とした規範ではなく、きっちりと文章で示されていれば、誰もが共通認識を持てるのだ。
また、内容としては、社会人として守るべきことと、介護事業者として守るべきことの2つのポイントがある。
まず、社会人として守るべきことは、他人を傷つける言葉や振る舞いをしない、他人と決めた約束を守るといった人間として当たり前のルールである。
これらのルールを遵守し、介護に携わる者として良識のある判断を伴う行動が必要となる。
介護事業者の一員として守るべきことは、介護のプロとして利用者およびその家族との信頼関係を作ることだ。
また、事業所が所属する地域や、行政からの信頼も必要だ。
介護施設として、高いサービスを持続させるためにも、守るべきルールがある。
これら2つのポイントをしっかりと押さえて、法令遵守マニュアルを作成することで、法令に対してあいまいな基準を持たなくなる。
例えば、「これくらいなら、誰もがしているだろう」と、判断基準を自分の価値基準に下げて判断してしまう場合もありがちなことである。
法令遵守マニュアルを作成することで、介護事業者と介護職で働く人すべてが正確な共通認識の元に、ルールを守りやすくなり、法令違反を防ぐことが可能になる。